イングランドの貨幣の君主肖像をたどる展示 ANAが2019年に紹介
アメリカ貨幣協会(ANA)は2019年10月14日のブログ記事で、エドワード・C・ロシェット貨幣博物館の展示「Money of Empire: Elizabeth to Elizabeth」を紹介しました。展示品の多くにはイングランドの王や女王の肖像があります。記事は、ケルトやローマの時代からエリザベス2世までの肖像の移り変わりをたどっています。
訂正(2026年10月13日) 題・要約・本文を出典に合わせて訂正しました。2019年10月のANAのブログ記事であることを明記し、出典にない展示点数(約150枚)、927年の建国者の名、エドワード6世の機械導入、チャールズ3世、価格動向・投資・鑑定の記述を削り、展示名を出典どおり「Money of Empire: Elizabeth to Elizabeth」に直しました。旧題は「150 Royal Coins Span 927-Present: What Numismatic History Reveals About Portrait Rarity Premiums」です。
※この記事は、アメリカ貨幣協会(ANA)が2019年10月14日に公開したブログ記事「Tales From the Vault: Royal Portraits」に基づきます。記事中の「現在」は2019年当時のことです。
ANAのエドワード・C・ロシェット貨幣博物館(Edward C. Rochette Money Museum)は、2019年10月の時点で、新しい展示「Money of Empire: Elizabeth to Elizabeth(帝国の貨幣:エリザベスからエリザベスへ)」を開いていました。展示品の多くに共通するのは、イングランドの王または女王の肖像です。
記事によると、君主の姿は横顔や正面向きで描かれ、玉座の上、馬上、船上の姿もあります。共同統治者や配偶者と並ぶ図柄もあります。2019年当時、記事は、様式は変わってきたものの、エリザベス2世(在位1952年〜)の顔が世界のお金で最も広く使われている、と述べていました。
ローマ時代からアングロ・サクソンのペニーまで
記事によると、紀元前1世紀、ケルト人の部族は族長の姿を刻んだ金貨と銀貨を作っていました。紀元43年にローマ人が来ると、ケルトの貨幣はローマの貨幣に置き換わり、ローマ皇帝などの肖像のある金・銀・銅の貨幣が使われました。5世紀初めにローマ人が去ると、貨幣は流通から消え、物々交換に代わりました。
7世紀初め、アングロ・サクソン人がブリテンに貨幣を再び導入し、銀のペニーが商取引の主な手段になりました。マーシアやノーサンブリアなどの王、カンタベリー大司教を描いたものがあります。10世紀後半には、イングランド王国(927年成立)の支配者を描いたペニーが国中で使われていました。
ノルマン王朝からテューダー朝へ
1066年のノルマン征服の後も、貨幣はほとんど変わりませんでした。記事によると、ノルマン朝の王(在位1066〜1154年)は70を超える造幣所でペニーを作らせました。この数は、貨幣づくりが中央に集められるにつれて減りました。多くのアングロ・サクソンの王と違い、新しい王の胸像は主に正面向きでした。
テューダー朝最初の王ヘンリー7世(在位1485〜1509年)の時代には、伝統的な開いた形の王冠が、アーチのある帝冠に替わりました。また、300年以上を経て、横顔の胸像が再び広く使われるようになりました。ヘンリー8世(在位1509〜47年)は、治世の初め、銀貨に父の肖像を残しました。
エリザベス1世の治世(1558〜1603年)には、初めてミルド・コイン(milled coinage)が出されました。ただし、イングランドの貨幣がすべてミルドになったのは、チャールズ2世(在位1660〜85年)の時代です。
蒸気プレスとエリザベス2世の肖像
記事によると、18世紀後半の蒸気プレスの開発と、19世紀の王立造幣局(ロイヤルミント)のタワーヒルへの移転によって、王の姿はより鮮明で写実的になりました。ヴィクトリア女王(在位1837〜1901年)には多くの肖像があり、よく知られた「ゴシック」や「ジュビリー」の図柄もその一つです。
1953年には、エリザベス2世の即位を記念する戴冠クラウン貨が出されました。図柄は馬上の女王で、何世紀も前からの伝統です。記念貨や紙幣で使われたものを除き、英国の貨幣用に作られた公式のエリザベス2世の肖像は5種類です。
記事は、展示の仮想版(バーチャル展示)も案内しています。
出典: American Numismatic Association「Tales From the Vault: Royal Portraits」(2019年10月14日)
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