「奇妙で珍しいお金」とは 米専門誌の読者Q&A
米国の貨幣専門誌 Numismatic News は2026年1月17日、読者質問の連載「CoinClinic」で、物々交換に使われた品などを指す「奇妙で珍しいお金」の定義や、その偽物の例を説明しました。あわせて、アメリカン・イーグル金貨の金の調達を定めた1985年の法律や、1982年にイタリアの国立造幣局が導入したリング付きバイメタル貨についても答えています。
訂正(2026年10月13日) 題・要約・本文を出典に合わせて全面的に書き直しました。旧記事の英語の題と要約は、出典に無いエラーコインとノベルティの分類の問題、投資家向けの判断表、SNSの影響を述べており、本文にも古代ギリシャからユーロ導入までの歴史など出典に無い記述がありました。これらを削り、出典の読者Q&A(2026年1月17日)の回答内容だけを示しました。旧題は「「奇妙で珍しいお金」の定義とは? 米地金型金貨やバイメタル貨の起源も解説」です。
米国の貨幣専門誌 Numismatic News は2026年1月17日、読者の質問に答える連載「CoinClinic」で、「奇妙で珍しいお金(odd and curious money)」の定義や、米国の地金型金貨、年号や額面のない貨幣、二つの金属を組み合わせた貨幣の始まりについて回答しました。以下はその回答の内容です。
地金型金貨の金はどこから来るのか
「米国造幣局は地金型金貨にフォートノックスの金を使うのか」という質問に対し、回答は1985年の金地金貨幣法(Gold Bullion Coin Act of 1985)を挙げています。この法律は、財務長官に対し、アメリカン・イーグル金貨に使う金を購入するよう定めています。その金は、米国内か米国の領土・属領の天然の鉱床で採掘されたものでなければなりません。また、採掘された月から1年以内に購入された金であることも求められます。
「イーグル」という名前と額面
アメリカン・イーグル金貨も、同じ1985年の法律で認められました。「イーグル」は、1933年まで発行された流通用の金貨の額面の呼び名として使われていました。その中には10ドルの「イーグル」金貨も含まれます。このため、現在のイーグル貨は、昔の10ドル金貨と混同しないよう、金属の種類と重さを表示するとしています。
「奇妙で珍しいお金」と「原始貨幣」
回答によると、「奇妙で珍しいお金」と「原始貨幣(primitive money)」は、おおむね同じものです。物々交換に使われたものは、ほぼすべて「奇妙で珍しいお金」に入ります。一方、原始貨幣は、まだ硬貨を使っていない社会で使われたお金を指します。
「奇妙で珍しいお金」の例として、たばこや紙巻きたばこ、トークン(代用貨幣)、スウェーデンのプレートマネー(板状のお金)が挙げられています。硬貨が手に入らないときに交換に使えるものなら、何でも含まれ得るとしています。原始貨幣の例は、カタンガ十字、「虎の舌」と呼ばれる金属の延べ棒(動物の舌ではありません)、腕輪、貝殻、動物の毛皮などです。
偽物も作られた
こうした品は作りが単純なものが多く、偽造は難しくないと回答は述べています。例として、アフリカで貨幣として取引された青銅や銅の腕輪「マニラ」は、英国でも奴隷貿易用に作られました。また、ドイツ人は、マフラ族が取引に使っていた野犬の歯の代わりに、磁器製の歯を作りました。「ワムパム(wampum)」は、先住民だけでなく、先住民と取引した入植者も作りました。
年号や額面のない貨幣
現代の硬貨には年号と額面が入っています。しかし、昔からそうだったわけではありません。西暦の年号が入った硬貨は13世紀に現れましたが、広まったのは17世紀です。かつては硬貨の価値が見ただけで分かったため、額面を入れる必要がありませんでした。
回答は、額面のない品は硬貨ではなくメダルとして扱われると説明しています。アメリカン・アーツ金メダルのシリーズは、メダルという名前で額面もなかったため人気が出なかった、というのが回答の見方です。これに対し、アメリカン・イーグル地金型貨幣には名目上の額面があり、始まった当初から成功しているとしています。
二つの金属を組み合わせた硬貨の始まり
中心部と外側の輪に異なる金属を使った硬貨やメダルは、117年から138年まで在位したローマ皇帝ハドリアヌスの時代から、ときおり作られてきました。17世紀後半の英国には、中心が銅で縁がスズのファージング貨があります。現在のような「リング付きのバイメタル貨」を1982年に初めて導入したのは、イタリアの国立造幣局(Istituto Poligrafico e Zecca dello Stato)だとしています。
出典: Numismatic News「CoinClinic: Defining Odd and Curious Money」(2026年1月17日)
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