米50州クォーターの「よくない」デザイン10選 CoinWeekの論評
CoinWeekは2026年1月22日、Tyler Rossi氏による論評「Ten Worst 50 State Quarter Designs」を掲載しました。1999年から2008年に発行された米国の50州クォーターから、筆者が州をうまく表せていないと考える裏面デザイン10点を選び、1位にミシガン州(2004年)を挙げています。順位は筆者個人の評価です。
訂正(2026年10月13日) 題・要約・本文を出典に合わせて全面的に書き直しました。出典はCoinWeekの筆者が選んだデザイン10点の論評ですが、旧記事はこれを「コレクター心理」や市場価格の分析として書き、出典に無い「480種類」の数、デザインの評価と価格の関係、州の財政格差、投資・鑑定・市場見通しの記述を含んでいました。これらを削り、10点の州・年・デザイナーと筆者の評価を、筆者の意見として示しました。旧題は「50州クォーター480種の中から:低評価デザインに表れるコレクター心理の構造」です。
※この記事は、2026年1月22日にCoinWeekが掲載した、Tyler Rossi氏の論評記事に基づきます。取り上げるデザインの良し悪しは筆者個人の評価であり、筆者自身も、こうした順位が本当に客観的になることはないと断っています。
米国の50州クォーター(25セント硬貨)は、1999年から2008年まで続いた流通記念貨のプログラムです。毎年5種類の新しい裏面デザインが、各州が合衆国に加わった順に発行されました。州の図柄は、ワシントン・クォーターの1932年の発行開始から(建国200年記念貨を除き)裏面に使われてきた鷲の図柄に代わるものでした。州の図柄には、それぞれの州を象徴し、その州の文化・自然・歴史を伝えることが期待されていました。筆者は、このプログラムが新しい世代の収集家を生んだと述べています。
筆者は、50枚の中には州を表すことにあまり成功しなかったものもあるとして、「最もよくない」デザインを10点選びました。ここでの「よくない」は「悪い」という意味ではない、とも書いています。州が決めた題材が面白みに欠けた場合や、案はよくても仕上がりに不満が残った場合などがある、という見方です。
1位〜5位
1位 ミシガン州(2004年) シリーズ26枚目。彫刻はDonna Weaver氏で、デザイナーは「不明」とされています。州の地形を表した図の周りに、五大湖を輪郭で描いた図柄で、輪郭を基にした似た5案の中から選ばれました。筆者は、配置はよいが全体として退屈だと評しています。
2位 ワイオミング州(2007年) シリーズ44枚目。デザインはDonna Weaver氏、彫刻はNorman E. Nemeth氏です。暴れ馬に乗るカウボーイを切り絵のような形で描き、右側に州の標語「The Equality State」を入れています。この標語は、女性に初めて選挙権を与えた州であることに由来します。筆者によれば、当時、連邦美術委員会(CFA)は「力強い」と評価し、市民硬貨諮問委員会(CCAC)は「本物らしい」と述べましたが、発行後、一般の人々には好まれませんでした。図柄は、1903年に撮影されたカウボーイGuy Holt氏と馬Steamboatの写真が元になっていると考えられていますが、確かではないとされています。
3位 テキサス州(2004年) シリーズ28枚目。デザインはDaniel Miller氏、彫刻はNorman E. Nemeth氏です。州の形に五芒星を重ね、縁を投げ縄の形で囲んだ図柄です。筆者は、初期の案には州の輪郭の中にアラモ砦を描いたものもあったと紹介し、2,600件近い応募案の中から、テキサス貨幣協会はもっと大胆な案を選べたはずだと述べています。
4位 フロリダ州(2004年) シリーズ27枚目。デザインはRalph Butler氏、彫刻はT. James Ferrell氏です。スペインのガレオン船、2本のサバルヤシ、スペースシャトルの3つを描いています。筆者は、一つ一つはよく描かれているものの、まとまりがなく、中央の空白も多いと評しています。この図柄は、5つの候補から3週間の一般投票で選ばれた「Gateway to Discovery」でした。
5位 マサチューセッツ州(2000年) シリーズ6枚目。デザインは2人の学童(原典の表記は「Two schoolchildren」)、彫刻はThomas D. Rogers氏です。州の地図に、コンコードのミニットマン国立歴史公園の前に立つミニットマン像を重ねています。筆者は、初期の案には帆を張った「オールド・アイアンサイズ」(USSコンスティチューション)を描いたものがあったと紹介しています。筆者によれば、同艦は1797年に進水し、今も浮かぶ最古の船だといいます。
6位〜10位
6位 メリーランド州(2000年) シリーズ7枚目。デザインはBill Krawczewicz氏、彫刻はThomas D. Rogers氏です。州議事堂の塔と、州の木であるオークの枝を描いています。筆者は、正式なデザインは細かすぎ、提案時の原案のほうが魅力的だったと述べています。
7位 ウィスコンシン州(2004年) シリーズ30枚目。デザインはRose Marty氏、彫刻はAlfred Maletsky氏です。牛の頭、チーズの塊、トウモロコシの穂を描いています。筆者によれば、当時のJim Doyle知事が、州の委員会が選んだ案(先住民の斥候と毛皮猟師が握手する図柄)を退けました。委員だったDean Amhaus氏は、これでは「チーズヘッド」の冗談が増えるだけだと嘆いたといいます。
8位 アイダホ州(2007年) シリーズ43枚目。デザインはDon Everhart氏です。大きなハヤブサが、中くらいの大きさの州の輪郭の上に立つ図柄です。筆者は、鳥が大きすぎて釣り合いが取れていないと評しています。
9位 ニューメキシコ州(2008年) シリーズ47枚目。デザインはDon Everhart氏です。州の地形図に、ジア族の聖なる太陽のシンボルを重ねています。筆者は、シンボルを州の成立年(1912年)の下に中心からずらして置くより、地図の中央に置いたほうがよかったと述べています。最終候補の4案はどれも、州の輪郭とジアの太陽を使った似た案だったとのことです。
10位 オハイオ州(2002年) シリーズ17枚目。彫刻はDonna Weaver氏で、デザイナーは「不明」とされています。州の輪郭、宇宙飛行士、ライト兄弟の飛行機、標語「Birthplace of Aviation Pioneers」の4つを描き、オハイオの航空の歴史を表しています。筆者は、ニール・アームストロング、ジョン・グレン、オーヴィル・ライトがいずれもオハイオ生まれであることから標語は事実だとしつつ、図柄としてはまとまりに欠けると評しています。
出典: CoinWeek「Ten Worst 50 State Quarter Designs」(2026年1月22日)
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