市場

Heller氏、シルバーイーグルの種類増加による市場飽和を問う 2026年1月

Numismatic Newsは2026年1月23日、Patrick A. Heller氏のコラムを掲載しました。米国造幣局がシルバーイーグル銀貨の種類を1986年の2種類から、2025年だけで5種類を加えるまでに増やしてきた経緯をたどり、市場が飽和して将来の収集家の関心を弱めないかと問いかけています。

訂正(2026年10月13日) 題・要約・本文を出典に合わせて全面的に書き直し、筆者の意見を述べたコラムであることと掲載日(2026年1月23日)を明示しました。出典に無いデンバー造幣所での発行、「西フィラデルフィア造幣所」、初心者収集家の離脱率が上がったとする業界調査、価格形成のリスクの断定を削り、品種の経緯を出典どおりに示しました。旧題は「シルバーイーグル品種拡大が招く希少性喪失:1986年来の構造的転換点」です。

※この記事は、2026年1月23日にNumismatic Newsに掲載された、Patrick A. Heller氏のコラムに基づきます。報道ではなく、筆者の意見を述べた論評です。

Heller氏は、ミシガン州ランシングのLiberty Coin Serviceの広報担当者です。コラムでは、米国造幣局(U.S. Mint)がシルバーイーグル(1オンスの.999純銀の1ドル銀貨)の種類を増やし続けていることを取り上げ、収集市場が飽和するのではないかと問いかけています。

かつての販売価格

筆者によると、造幣局は何十年もの間、プルーフセット(鏡面仕上げの貨幣セット)、ミントセット、記念貨を、額面かそれに近い価格で売っていました。たとえば1960年のプルーフセットは、額面どおりの91セントで販売されました。古い記念50セント銀貨の多くは、1ドル以下で買えました。

世界の造幣局と「流通しない法定通貨」

筆者は、世界の多くの造幣局が、流通用ではなく収集家向けに多種類の貨幣を作って利益を上げていると述べます。例として、カナダ王室造幣局は毎年300種類以上の貨幣を作り、そのうち流通用はわずかだとしています。

また、比較的豊かでない国々の政府が、流通しない法定通貨(NCLT)の発行を認める見返りに使用料を受け取り、収入を得てきたと書いています。それらの貨幣は主に米国の収集家に向けて販売されました。例として、クック諸島、マン島、リベリア、マーシャル諸島、ニウエ、カリブ海のいくつかの国を挙げています。

筆者自身、2003年に、2004年1月発行予定のミシガン州25セント硬貨に合わせて、ミシガン州を記念する1オンス銀貨を発行してもよいという7か国から提案を受けました。しかし、関係者への使用料の合計が当時の銀の価値を上回ったため、顧客にとってよい買い物にならないと判断し、どの提案も受けなかったといいます。

シルバーイーグルの種類の移り変わり

筆者によると、米国造幣局は議会が定め大統領が署名した法律の範囲でしか貨幣を発行できず、自ら新しい計画を始めることはできません。そのためここ数十年は、認められた貨幣に特別な仕上げを施して作るようになりました。その最も極端な例と言えるのがシルバーイーグルかもしれない、と筆者は書いています。

コラムが示す経緯は次のとおりです。

- 1986年の発行開始時は、フィラデルフィア造幣所の未使用(アンサーキュレーテッド)とサンフランシスコ造幣所のプルーフの2種類だけでした - 1993年、プルーフの製造がフィラデルフィアに移りました - 2000年、未使用貨がウェストポイント造幣所製であると公式に認められ、2001年にはプルーフもウェストポイント製になりました - 2006年、ウェストポイントのバーニッシュド(Burnished)と、フィラデルフィアのリバースプルーフが加わりました - 2013年、ウェストポイントでエンハンスト・アンサーキュレーテッドが作られました - 2020年、第二次世界大戦終結75周年のプリヴィマーク(小さな記号)付きプルーフがウェストポイントで作られました - 2024年、星のプリヴィマーク付き未使用貨50万枚がウェストポイントで作られました

2025年には、さらに次の5種類が加わりました。フィラデルフィアのワシのプリヴィマーク付き未使用貨、ウェストポイントのレーザー刻印プルーフ(レーザー光線のプリヴィマーク付き)、サンフランシスコの米海軍プリヴィマーク付きプルーフ、ウェストポイントの米陸軍プリヴィマーク付きプルーフ、フィラデルフィアの米海兵隊プリヴィマーク付きプルーフです。

筆者は、造幣局が一部のシルバーイーグルに通し番号を付けることを検討している可能性もあると書いています。そして、色付きの貨幣や、2026年の独立250周年の特別なプリヴィマークが出るのかと問いかけています。

筆者の問いかけ

筆者は、収集家の予算には限りがあると指摘します。毎年の未使用の地金型を集める人は多いものの、コラム執筆時点(2026年1月)で銀の価格が過去最高の水準にあり、それさえ難しくなっていると述べます。未使用とプルーフのすべての種類を集めようとする予算のある人は、さらに少ないとしています。

そのうえで、造幣局が議会の制約の中で収入と利益を増やそうとするのは理解できるとしつつ、シルバーイーグルの種類や他の貨幣の特別版で市場が飽和し、将来の収集家の関心を弱めることにならないかと問いかけて、コラムを結んでいます。

出典: Numismatic News「Will The U.S. Mint Saturate the Numismatic Market?」(2026年1月23日)

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Silver、Mint

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