市場

2026年の欧州コイン市場 ドイツ銀貨の額面上げと銀不足

Numismatic Newsは2026年2月17日、収集用品の会社Leuchtturmの2025年度の知見をもとに、欧州のコイン市場の動きを伝えました。ドイツの銀の記念貨は銀の値上がりで額面が引き上げられ、2025年のクリスマス記念貨は約48万1,000枚が溶かし直しを待っています。2ユーロ記念貨は引き続き最大の収集分野とされています。

訂正(2026年10月13日) 題・要約・本文を出典に合わせて書き直しました。出典にない東欧での金貨需要の急増、指数投資やファンド資金の流入、デジタル資産との競争などの記述と、「プレミアムの消滅」「構造的な変化」とした断定・投資判断を削り、出典が伝えるドイツの記念貨の額面引き上げ、銀の品薄、金の小口化、2ユーロ記念貨、ゼロユーロ紙幣の内容と2026年2月の報道であることを示しました。旧題は「銀価格連動で変わる欧州コイン市場:ナムスマティック・プレミアムの消滅危機」です。

※この記事は、2026年2月17日にNumismatic Newsが掲載した記事「The Key Developments Shaping the 2026 European Coin Market」に基づきます。記事は、収集用品の会社Leuchtturm(ロイヒトトゥルム)が2025年度に得た知見をもとに、欧州、主にドイツのコイン市場の動きをまとめたものです。

ドイツの銀の記念貨、額面の引き上げ

記事によると、2025年、ドイツの銀の記念貨は何度も話題になりました。通常の記念貨の額面は20ユーロから25ユーロへ、さらに35ユーロへ引き上げられました。クリスマスの記念貨は25ユーロから35ユーロ、さらに50ユーロになりました。すでに打たれた数種類の発行も見送られました。

例として、エリザベート・シュヴァルツハウプトの記念貨は、当初は額面20ユーロの予定でした。銀の値上がりを理由に、額面はまず25ユーロ、次に35ユーロに上がり、銀の含有量も大きく減らされました。

2025年のクリスマスの記念貨は約48万1,000枚が打たれましたが、銀の高値のため溶かし直すことになりました。記事の時点では、ドイツの5か所の造幣所で、精錬所へ戻されるのを待っていました。

記事は、この分野が今後どうなるかは全く分からないとしています。Leuchtturmの営業責任者(B2B)ゲオルク・モッチマン氏は「銀の需要の高まりはドイツのコインにも表れ、需要を増やす」と述べています。一方、同社の事業開発担当レナート・シュトゥール氏は「ドイツの記念貨の銀の含有量が下がれば、需要が弱まるおそれがある」と述べています。

銀の現物が品薄に

記事によると、銀の国際的な相場(スポット価格)は2026年1月末に1オンス約80ユーロに達しました。貴金属の店頭では、1オンス約100ユーロ以上で取引されていました。銀の現物が品薄になり、相場への上乗せ分(プレミアム)が大きく上がったと記事は説明しています。

アメリカでは、2025年10月にアメリカン・シルバー・イーグルの発行が一時止まりました。2026年1月上旬には、アメリカ造幣局が新しい価格体系を作るため、銀の収集用コインをオンラインショップから外しました。

記事によると、投資用の銀を売る人はほとんどおらず、代わりに食器などの再生用の銀が大量に持ち込まれています。標準的な地金製品でも20〜30%の上乗せが見られ、記事はこれを異例のことだとしています。

金は小さな単位へ

ドイツでは、1トロイオンスあたり2,000ユーロまでの金は名前を明かさずに買えます。記事によると、金の価格がこの額を超えると、1オンス金貨の需要がやや落ちました。金が4,000ユーロを超えた現在は、半オンスもこの額を上回っています。そのため、投資家は小さな単位へ、またコインから延べ棒(バー)へ移っていると記事は伝えています。偽造防止の包装(ブリスター)に入った小さなバーが特に好まれています。

ドイツの100ユーロ金貨、発行価格と発行枚数

ドイツの100ユーロ金貨の発行価格は、2020年の807ユーロから、2024年には1,100ユーロ弱、直近では約1,560ユーロになりました。記事によると、2026年1月末の市場価格は1枚約2,000ユーロでした。

発行枚数は、2002年の初年度は造幣所ごとに10万枚、2020年は3万5,000枚でしたが、直近では1万4,600枚に減りました。記事は、造幣所の刻印(ミントマーク)をすべてそろえようとすると、毎年5桁のユーロが必要になり、多くの収集家にとって負担の限界に達していると述べています。

シュトゥール氏は、ドイツの造幣当局(Münze Deutschland)が、収集家が入りやすい「軽い」金貨を出すかどうかという問いを挙げています。記事は比較として、オーストリア造幣局のウィーン・フィルハーモニーに1/25オンス、カナダのメイプルリーフに1グラムの「MapleGram」があることを紹介しています。

偽物を見分ける機器

記事は、金の値上がりで安全を求める投資家が増えている例として、金属の電気の通しやすさを測って本物かどうかを調べる機器「AurumXpert」を挙げています。ドイツで開発・製造され、カプセルやブリスター包装の上からでも数秒で測れるとされます。Leuchtturmでの価格は999ユーロで、短い期間で売り切れました。

2ユーロ記念貨は引き続き最大の収集分野

モッチマン氏は「2ユーロ記念貨は引き続き最大の収集テーマです」と述べています。ブルガリアのように新しくユーロを使い始めた国からの需要もあり、ブルガリアは自国の2ユーロ流通貨のほか、年1種類の記念デザインを予定しています。一方で、ユーロ流通貨のセット用の製品は大きく売れ行きが落ちた、とモッチマン氏は述べています。

Leuchtturmの編集部が作った最新の2ユーロ貨カタログによると、多くの有名な2ユーロ貨の市場価格は下がりました。モナコの「グレース・ケリー」や「Fortress on the Rock」は、少し前まで4,000〜5,000ユーロで取引されていましたが、現在は約2,500〜3,000ユーロです。記事は、その理由の一つとして、多くの国が次々に発行していることを挙げています。

ゼロユーロ紙幣

ゼロユーロのお土産用紙幣は2015年からあります。もとは旅行の記念品として作られ、今では一つの収集分野になっています。モッチマン氏は、この分野の専用アルバムは今も人気が高く、売れ行きは横ばいで安定しているとしています。

出典: Numismatic News「The Key Developments Shaping the 2026 European Coin Market」(2026年2月17日)

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