銀貨のトーンは「好みの問題」 ジェフ・ギャレット氏のコラム
CoinWeekは2026年1月21日、ジェフ・ギャレット氏がNGC向けに書いたトーン(銀貨の表面の色)についてのコラムを掲載しました。筆者は、かつて真っ白な銀貨が好まれた時代から、美しいトーンの貨幣が強く求められる今への変化を振り返り、自身の売買の例を挙げています。人工的なトーンへの注意として、鑑定済みの貨幣を買うよう勧めています。
訂正(2026年10月13日) 題・要約・本文を出典に合わせて全面的に書き直しました。出典に無い「同一グレードの無色銀貨比で2〜3倍の価格差」、ナイトスカイ・ポーフィリー・パティナ等の色の分類、トーンの化学や歴史の説明、鑑定機関の顕微鏡分析、PCGSの記述と投資の表現を削り、筆者ジェフ・ギャレット氏のコラム(2026年1月21日掲載)であることと、筆者が挙げた例を出典どおりに示しました。旧題は「トーニング銀貨の価値、自然と人工が分ける価格差」です。
※この記事は、2026年1月21日にCoinWeekに掲載された、ジェフ・ギャレット氏のコラムに基づきます。コラムはNGC(Numismatic Guaranty Corporation)向けに書かれたもので、筆者の経験と見方を述べたものです。
ギャレット氏は、美しいトーン(銀貨の表面に付いた色、変色)のある貨幣は、いまや収集の対象として強く求められていると書いています。
かつては「真っ白」が好まれた
ギャレット氏が数十年前に貨幣の売買を始めたころ、トーンのある貨幣は珍しがられはしたものの、需要は乏しかったといいます。多くの収集家は、銀貨が真っ白であることを望みました。トーンのある貨幣は、当時多くの収集家が使っていた洗浄液「Jewel Luster」に浸されることが多かったそうです。
その後、状況は大きく変わりました。収集家は、元のままの美しいトーンを持つ貨幣を深く評価するようになりました。ただ、何を「美しい」とするかは人によって意見が分かれる、と筆者は述べています。
銀貨の三つの見た目
筆者は、銀貨の見た目を三つに分けています。
一つ目は、真っ白か、ほぼ白い貨幣です。現在市場に出ている「ヴィンテージ」(50年以上前の貨幣)の約40〜50%がこれに当たるといいます。かつて手入れ(保存処理)を受けたか、ロール(巻き)や袋の中で見つかり、硫黄などにさらされなかった貨幣とみられます。モルガン・ダラー(1ドル銀貨)の多くがここに入ります。
二つ目は、美しいとはみなされないトーンの貨幣で、これも約40〜50%です。色は薄い茶色から、ほとんど黒に近いものまであります。こうした貨幣は、売りに出されると大きく値引きされることが多いといいます。等級は高くても、見た目を好まない収集家が多いためです。
では、なぜ手入れをしないのか。筆者によると、すべての貨幣が手入れに向くわけではありません。濃いトーンやむらのあるトーンの貨幣の多くは、洗うとひどい見た目になります。そのため、手入れは専門家に任せるべきだと筆者は書いています。
筆者自身も失敗を経験しています。1980年代の終わりに4,000ドル超で買ったモンロー・ハーフダラー(50セント貨)を洗浄液に浸したところ、仕上がりがひどく、今では200ドルでも売るのが難しい状態になったといいます。
三つ目が、美しいトーンを持つ貨幣です。筆者の見積もりでは、市場に出ている銀貨の10%未満です。
美しいトーンの特徴
何を美しいとするかは主観によりますが、共通する特徴があると筆者は述べています。美しいトーンの貨幣は、たいてい地の輝きが強く、トーンが表面に薄く重なったように見えます。色は薄い茶色から、さまざまな色にわたります。
一部だけにトーンが付いた貨幣も多く見られます。白く輝く地に、色が散ったような貨幣です。袋の中で長年保管され、別の貨幣に一部を覆われていたため、三日月形のトーンが付いた貨幣もあります。筆者によると、こうした貨幣はトーンの愛好家に特に求められています。
モルガン・ダラーと記念ハーフダラーの例
モルガン・ダラーは、トーンのある貨幣の収集家に人気の銘柄の一つです。筆者は数年前、NGCでMS 64と格付けされた1884-Oのモルガン・ダラーをオークションに出品しました。表と裏の両面に美しいトーンがありました。当時、普通の1884-OはMS 64で100ドル未満でしたが、このトーンの貨幣は4,000ドル近くで売れたといいます。
1892年から1954年に作られた記念ハーフダラーも、トーンの収集家に人気があります。筆者によると、近年はトーンのあるハーフダラーで、多くの人が考えもしなかったようなオークション記録が出ています。
好みの問題
美しいトーンが何かが主観によるのと同じく、トーンのある貨幣を集めることも好みの問題だと筆者は書いています。筆者は、目を引く貨幣に出会うと、ほとんどの場合オークションに出すといいます。そのうえで、こうした貨幣の買い手は自分の想像を超える値を付けることがあると述べ、その証拠として、比較的よく見られる年号のマーキュリー・ダイム(10セント貨)が最近30万ドル超で売れたことを挙げています。
筆者は最後に、見た目の美しさ(アイ・アピール)が貨幣の値付けで重要な要素になっていること、トーンはその要素の一つであることを述べています。そのうえで、人工的にトーンを付けたり手を加えたりしていないことを確かめるため、鑑定済みの貨幣を買うよう勧めています。最近のオークション価格を受けて、虹色のトーンを人工的に付けた品を作る者が出ているためです。筆者は、自然なトーンの見た目を学ぶことが必要だとしています。
出典: CoinWeek「Jeff Garrett: Toned Coins - A Matter of Taste」(2026年1月21日)
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