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英Baldwin's社長、第三者鑑定の「Details」評価を批判(2023年)

英国の貨幣商Baldwin'sのニール・ペイズリー社長は2023年6月12日、同社のブログで第三者鑑定についての見解を公開しました。3枚のコインを例に、ごく軽い傷で「Details」とされたコインが大きく値を下げる現状を批判しています。改善策として、数字と問題点を併記する方法などを提案しました。

訂正(2026年10月13日) 題・要約・本文を出典に合わせて訂正しました。記事が同社社長個人の見解であることを明記し、出典にある筆者の価格の見込み(10万ポンド・30万ポンド以上・「半額程度」など)と投資向けの評価を削り、出典にない「8割引き」の計算やモルガン・ダラーなどのSEO語を除きました。旧題は「第三者鑑定はコインの価値をどう変えたか:高評価と「傷あり」で明暗が分かれる3つの事例」です。

木目の台に四角い穴のあいた漢字入りの古銭が金・銀・銅色で十枚ほど並ぶ画像(AI生成のイメージ図)
イメージ図(AI生成)

※この記事は、英国の貨幣商Baldwin'sのブログに2023年6月12日に掲載された記事に基づきます。筆者は同社の社長(Managing Director)ニール・ペイズリー氏で、内容は筆者個人の見解です。

2023年6月12日、ペイズリー氏は「状態・希少性・第三者鑑定」と題した記事を公開しました。第三者鑑定とは、売買の当事者ではない鑑定会社がコインの状態を評価する仕組みです。筆者は、利害を持たない立場からの評価だと説明しています。

筆者が見た20年間の値動き

筆者によると、コインの収集家と業者は、この20年でコイン価格の大きな上昇を見てきました。筆者は、大きく値を上げたのは希少で、しかも保存状態がとても良いコインだと述べています。そして、その流れに第三者鑑定が大きく関わったという見方を示しています。

筆者が最初にはっきりした値上がりを感じたのは、2003年のSlaney(スレイニー)コレクション売り立ての第1部でした。また、コロナ禍で実物を見られなかった時期に、第三者鑑定が状態の評価の新しい標準になったと書いています。

筆者は、第三者鑑定については「益より害が大きい」と考えていると明言しています。ただし、それが市場を大きく変えたことは誰も否定できない、とも述べています。

3枚のコインの例

筆者は、性格の異なる3枚のコインを例に挙げています。

1枚目は、ジョージ2世のプルーフ・ギニー金貨(見出しでは1729年銘)です。筆者によると、プルーフ貨は地の部分が鏡のようになっており、この個体は肖像と裏面の盾の模様に摩耗がありません。鑑定会社NGCがプルーフ65(PF65)と評価しており、筆者によると第三者鑑定で認定された中で最上位です。筆者は、過去20年のオークションで見つかった別の個体は1枚だけで、状態の劣るNGCプルーフ64の個体が2017年に合計45,600ポンドで売れたと書いています。

2枚目は、イングランド内戦中の1645年、カーライル包囲戦の最中に造られたチャールズ1世の3シリング銀貨です。筆者によると、城内の食器などの銀を材料に、守備兵へ支払うため急いで造られました。現存は10枚未満と考えられていると書かれています。打ち方が粗く高い状態の個体がないため、鑑定に出しても高い数字は付かず、出す理由はほとんどないと筆者は述べています。

3枚目は、ヘンリー7世のソブリン金貨です。筆者は、これが最初に造られたソブリン金貨だと説明しています。紹介された個体は打ち方が良く、王の肖像がはっきり出ています。一方で、近くでよく見ないと分からない、ごく軽い擦り傷があります。筆者は、この傷のため鑑定会社から数字の評価は付かないだろうと見ています。

筆者によると、このコインの2023年版カタログ値は、VF(状態の等級の一つ)で165,000ポンドです。また2010年には、軽い傷のない似た個体が手数料込みで186,000ポンドで落札されました。

「Details」評価への批判

鑑定会社は、問題があると判断したコインに数字の代わりに「Details」と付けます。筆者は、そうなったコインは急に価値が下がり、売りにくくなると指摘しています。たとえ極めて希少で、傷がごく小さく、最上級の1枚であってもそうなる、というのが筆者の問題提起です。

筆者は、5ギニー金貨を例に説明しています。20年前なら、上質な1枚が10,000ポンドの場合、裏面に軽い傷のある同等品は少し安い9,000ポンドほどだったといいます。今の市場では、同じ2枚が「MS63」と「Unc Details」に分かれ、筆者の例では前者が150,000〜200,000ポンド、後者は30,000〜40,000ポンドほどになるかもしれない、と書いています。筆者は、この大きな差は正当化できないと述べています。

筆者は改善策として、問題の程度に応じて低めの数字を付けること、または「AU58 light scratches」のように数字と問題点を併記することを提案しています。後者は、業界の友人も提案している方法だと書いています。

出典: Baldwin's「Condition, Rarity and Third Party Grading」(2023年6月12日)

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